派遣か業務委託か──都内でのクライアント訪問で見えた“本音の境界線”【実体験ベース】
「派遣と業務委託はどっちがいいのか?」
「派遣と業務委託の違いは何か?」
アウトソーシングを検討する企業様で、最も検索され、最も語られているテーマです。
しかし、世の中の記事の多くは法律・ルール・契約形態の話が中心。
実際のクライアント企業の本音はあまり語られていません。
今回は、弊社が都内で複数の企業様を訪問し、直接ヒアリングした“現場の声”をもとに、派遣と業務委託(外注)のリアルな違いをまとめます。
制度ではなく、現場で何が起きているか。
これが今回の記事のテーマです。
1. 「派遣でできるなら派遣を選ぶ」──企業が語った“本音”
今回の企業訪問では、共通して以下の声が上がりました。
- 社員でできる部分は極力社員でやりたい
- 外注も検討するが、まずは派遣社員を優先する
- 社内コミュニケーションが取りやすい人材が良い
ここには、企業が派遣を選ぶ理由が色濃く現れています。
オンライン業務委託は“用件だけ”になりやすい
チャット中心の業務委託は、コミュニケーションが効率的な一方、関係性が生まれにくく「業務だけ」の世界になりがちです。
ニュアンスで伝えたり、雑談からアイデアが湧くということは、残念ながらあまり起こりません。
派遣は対面コミュニケーションの強みが大きい
派遣社員は同じオフィスにいるため、
- 雑談から自然に関係性ができる
- その場で確認・相談できる
- 企業文化に馴染みやすい
といったメリットがあります。
そのため多くの企業様が、「派遣で完結する業務は派遣で」という選択をされていました。
2. しかしその裏には、深刻な「人材不足」の現実
企業様がほぼ例外なく口にされたのが、
「そもそも人がいない」
「派遣を募集しても応募がこない」
「人件費が上がり続けている」
「スキルマッチする人材が見つからない」
という声です。
ここには、派遣市場の構造的な人材不足が横たわっています。
3. 対照的に、業務委託の現場では「仕事不足」が起きている
一方、業務委託(外注)側の実情は真逆です。
- 即戦力のフリーランスは多い
- スキルある人はむしろ案件を探している
- 仕事不足を感じている人も多い
今回の企業訪問で、このギャップの大きさを改めて実感しました。
なぜ、企業は“人材不足”、業務委託側は“人材余り”という真逆の事態が起きているのでしょうか?
4. 「派遣 vs 業務委託」ギャップの正体は、“場所と時間”のミスマッチ
派遣社員:
- オフィス勤務
- 平日フルタイム(9〜18時)
- 固定シフトが前提
業務委託:
- フルリモート
- 深夜・早朝・週末も柔軟
- 複数案件の掛け持ち
- 主婦、副業、専業フリーランスと働き方が多様
つまり、
企業が探しているのは「フルタイムの塊」
業務委託に多いのは「スキマ時間の集合体」
ということです。
この構造が、“人材不足” と “人材余り” が同時に起きる核心ではないでしょうか。
イメージで言えば「水槽の中の石」
大きな石(=フルタイム人材)だけで水槽を満たそうとすると隙間だらけになります。
一方、細かい石(=スキマ時間の人材)は、隙間に大量に入り込むことができます。
業務委託の人材は、この“細かい石”に近い存在です。
5. 派遣と業務委託の違い──企業視点で整理するとこうなる
メリットとデメリットを制すると、以下の通りです。
派遣の特徴(企業の声含む)
- 対面コミュニケーションに強い
- 教育もしやすい
- 社内文化に馴染みやすい
- 即日〜数日で立ち上げられる
- ただし人材不足が深刻
- 大きい業務単位(フルタイム)でしか動かせない
業務委託(アウトソーシング / 外注)の特徴
- リモートで多人数が対応可能
- スキマ時間の戦力が大量に存在
- スキルの多様性が高い
- 24時間体制が作りやすい
- 小さな業務単位で依頼できる
- プロセス設計や改善に強い(XPO的価値)
6. 結論:人材不足時代だからこそ、業務委託は“合理的な選択肢”
もちろん、派遣が良いケースもたくさんあります。
特に、
- 対面コミュニケーションが必須
- 社内に置くことで価値が生まれる
- ルーティン+部分的な裁量が必要
といった業務は、派遣が向いています。
しかし、
「人が足りない」
「採用が難しい」
「派遣が集まらない」
という時代において、スキマ時間を束ねた外注戦力(業務委託)は非常に合理的です。
そして、草世木が掲げている**XPO(Cross Process Outsourcing)**は、単なる業務委託ではなく、
- 業務整理
- プロセス設計
- 標準化
- 改善
- 運用チーム構築
までを一気通貫でサポートします。
“人”ではなく“仕組みごと”外注したい企業にとって、最も相性が良い選択肢です。
今回の学び:人材不足で悩む企業ほど、実は外注の恩恵を受けやすい
今回の都内訪問を通じて強く感じたのは、「人材不足で苦しむ企業ほど、外注によって得られるメリットが大きい」
という事実です。
派遣と業務委託のどちらが正しいかではなく、“どの課題に対して、どちらが最適か”という観点で選べば、企業の成長スピードが大きく変わるはずです。
